2022.09.26
今回はブロック塀について考えてみたいと思います。
一般のご家庭で設置してあるブロックは経年における劣化は避けて通れないものになります。設置場所の環境、施工方法などで劣化の進行は大きく変わってきます。
昨今のブロック塀にを起因とする災害などの影響で施工基準もしっかりと設けられ、虫できない法令も施行されました。
施工会社側も経験値からくる施工基準も大切ですが、法令もしっかり理解したうえで施工しなければいけません。
ブロック塀の要は、内部にある鉄筋が最も重要と言っても過言ではないと思います。
ブロック塀はその鉄筋とすき間に充填するモルタル、そしてブロックで形成され地震でも倒れない構造を保っています。
ブロック塀の上にフェンスを設置したり、飾り窓、ガラスブロックを設置したりと、設計条件が変わり思いがけない場所にヒビが入ったり、強度不足による傷みが現れる場合があるのでしっかりした配筋計画を立てなければいけないですね。
ブロックの構造は雷起こしのような構造をしていて、骨材と呼ばれる砂利・セメントで形成されています。
大きなくくりでコンクリートと呼ばれる材質です。ブロックと床面舗装で使用されるコンクリートも同じコンクリートですが、大きく密度・強度が違います。
少し難しいお話になるのですが、駐車場の床面舗装で使われるコンクリートの強度は18~21N/㎜2ぐらいです。ブロックは通常8N/㎜2以下の強度となり、おおよそ半分の強度しかありません。
この数値は、どれくらいの重さまで耐えられるかを数値化したものです。強度が弱い、密度が低いということになります。
そのためブロックは軽量になる反面、密度が低くブロック自体は水分が染み込みやすい性質になってしまいます。
ブロック積みで重要な鉄筋も、鉄筋の周りに充填するモルタルが隙間なくしっかり充填されていないと、鉄筋に水分が届いてしまい腐食膨張を起こしてブロックを内部から破壊してしまうことに繋がってしまいます。
ブロックの強度も使用する用途に合わせ4種類ほどあります。A種、B種、C種、D種といってようにランク付けされており、ブロックの天端にフェンスを立て込む場合はC種、D種といった様に必要とされる強度を考えて選定を行った方が、風圧による破壊を防げることになります。
また、ブロック塀と言っても背面に土が盛られている場合があります。土の荷重がかかる塀は土留め壁と呼ばれる構造で一般的な塀とは違い、より頑丈な構造にしなくてはいけません。
ブロック塀を設置した後に背面に土を盛ってしまう場合がありますが、土の荷重がかからないという条件で設計してあり、土の荷重に耐えきれず沈下、ヒビ、最終的に転倒とおいったことになってしまう場合があります。
今あるブロック塀に大きなヒビが現れる場合は注意が必要です。ヒビを境に段差などが生じたりする場合は特に注意が必要になります。
ヒビの入る原因の一つとして、ブロック塀の基礎と呼ばれる土台の不等沈下が考えられます。基礎の下が雨水などで洗い流されたり、地耐力と呼ばれる地面の硬さが軟弱な場合などブロック塀の重さに耐えきれず沈下する場合などが原因です。
ブロック塀を計画するにあたって、ブロックの高さ、背面土圧、設置する場所の環境などを考慮して計画する必要があるのです。
もちろんご予算のある中での工事計画にあるので、必要以上に計画する必要はないですよね。
今あるブロック塀や土留め壁などのリフォームや、新しく設置を計画されている方は、実績豊富なブロック診断士が在籍するエクステリアショップにご相談いただければと思います。