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住まいのヒント

エクステリアの耐震性①

2024.01.18

能登半島地震が発生した際、急いでテレビをつけ、NHKのニュース速報を確認しました。

画面には住宅が崩れ、土埃が舞う様子が映し出され、同時に津波警報が発令、私が住む上越市にも警報が出ていました。

地震と津波警報による混乱の中で、東日本大震災の映像が脳裏に蘇り、アナウンサーは大きな声で「東日本大震災の津波を思い出してください!」「皆さんの命が何よりも重要です!」と繰り返し、避難を促していました。

一瞬、「うちは大丈夫だろ」「まだ大丈夫」という過小評価が生まれました。

これは「正常バイアス」と呼ばれ、突然の災害に対し、心が過剰に反応し疲弊しないように一定の範囲で正常な判断を導く心理メカニズムだそうです。

アナウンサーの呼びかけで、家族は持つものも持たず15分後には車で避難しました。

我が家では軽微な被害があり、近隣では津波の被害や住宅の損傷なども報告されています。

弊社としてもエクステリア工事を行った全てのお客様に点検を行うことは難しい状況ですが、現時点での被害報告や相談はないので安心しております。

この経験から、災害は予測が難しく、いつ起こるか分からないため、日頃からの準備が不可欠であることを痛感しました。

準備をしておけばすべてが安心というわけではなく、どこまで費用をかけるべきかは慎重に考える必要があります。

費用対効果を考慮し、壊れた場合は修復すればよいものもあれば、人命や大きな損害につながる場合があるため費用に変えられない部分もあるという認識が重要です。

この状況を踏まえ、設計プランニングには慎重かつ効果的に取り組むべきであり、地盤の特性や地域の法令、業界標準に基づいた対策が求められます。

地盤の支持率や計測データを元に基礎を設計することは理想的ですが、現状はそのコストが高いため、ブロック積みの場合であれば国の法令やエクステリア協会のガイドラインに基づいて、プランニングすることが安全性確保の近道だと思います。

見えない部分に費用が掛かるため、同じように見えても金額の差がついてしまうので安いものが必ずしも良いとは限りません。


確かな耐震性や安全性を確保するためにはある程度のコストがかかることを理解する必要があります。

その『バイアス』に流されず、災害や事故事例をもとに標準化された法令や業界の標準に従いながら、災害に備えた計画と準備が必要と痛感した年明けになりました。